先生...!!!
ハモった。
誰と??
左から声がした気がしたので左を向くと左隣の人もこっちを見ていた。
背が高く坊主頭でカバンはエナメル。おそらく野球部だろう。
それまではポカンとしていた目が急にキラキラしだした。
「ハズレだよなっ?!」
「うん。ハズレ。」
「うわ!同じ考えの人がいた!すげぇ、嬉しいんだけど!俺、藤原優輝!よろしくなっ!」
テンションが高い。
でも苦手じゃないタイプだ。
あたしだって本当はこの人みたいにテンションが高いのだから。
「あたしは深沢ちはる。同じ意見の人がいるなんてあたしもビックリだよ!」
何故か素を出せた。
はるかの前でも素を出したことは1度もない。
でもやっぱり素の方が楽だ。
この瞬間、高校では、せめてこの人の前では素でいようと決めたんだ。