Re:
「ビビらすなよ!」

チュウは声を荒げて母親に言った。

「あら…失礼。で、アツム君、どう??」

チュウの言葉を軽く流して僕に聞く

「え……?」

「この2日だけじゃ惜しいわ。是非、冬休みもお願いしたいわ。あ、毎日来るのが面倒ならこの子の部屋で寝泊まりもOKよ」

彼女はウインクをして右手でOKサインをする

「おいっ…」

「で…でも、僕なんの役にもたたなかったと…」

正直、チュウの足を引っ張っただけだと思う。

犬に引きずられたり押し倒される僕を助けてもらってばかりで

「そう?楽しんでたわよ。あのコ達」

「オレも助かったぜ?」

「いつもよりたくさんの奴らを遊ばせる事が出来たんだ。役にたってない筈がねえだろ。」



「それじゃあ…」

チュウの母親は人差し指をたてて

「アツム君は楽しかった?」



「………は、い」

「アツム君が楽しくて、このコも彼らも楽しかった。ほら、役にたってないと言えないでしょ?」

にっこり笑うチュウの母親

強引というか無茶苦茶というか

彼女の言葉に妙に納得してしまい

「僕なんかで良ければ……」

冬休みのバイト依頼を受けていた。
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