Re:
「…………」

チュウは怒った顔のまま保健室の入り口のドアに体をもたれ両腕を組んでいた。

僕はキョウツカ先生から手当を受けていた。

背中で感じる視線は凄く痛い

「おい、あんまり睨むな。怯えているぞ?」

チュウに抗議するキョウツカ先生は手際よく僕の腕に包帯を巻く

「…別に」

「まあ、心配する気持ちはわかるが。はい、これで大丈夫。」

「…ありがとうございます。」



シ…ンと静まる室内で薬箱を閉じる音が響く。

「しかし…キミはどうする気だ?」

「え…?」

「今日が初めてじゃないだろう?」

そう言った直後に腕を掴まれ、袖を肘まで上げられた。

「私を甘く見ないで貰おうか。コレとコレ、過去に受けた痕だ。ここだけでこの数だ。服に隠れた部分…体のあちこちにもあるだろう…?」

鋭い目で僕を見た。


「…………」


「何をそこまで隠す必要がある?脅されてるのか?」

「…………」

僕は何も言葉を発さず、黙っていた。
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