Re:
家に帰るまでの道

会話のないオレ達は足音だけ響かせて夜道を歩く



「…チュウ」

アツムはオレを呼ぶ

「ん?」

振り向くとアツムはオレを見て、立ち止まっていた。

「………」

オレはアツムの言葉を待つ

「最初は…僕のノートやペンがなくなって」

「靴や、体操着があちこちに隠されたり…しただけだったんだ……」

重い口を開き

白い息と共に出てきた言葉

アツムは

両手をコートのポケットに入れたまま

口端を上げながら

笑顔で話しだした。
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