Re:
体が痛い

腕を上げようとすると激痛が走る

上体を起こそうとしても力が入らない。

僕は体が動かないことに気づいた。




「気がついたかい?フジワラアツム」

ベッドの間仕切りカーテンを開いて現れたのは保健医のキョウツカ先生

「運が良かったとしか言いようがないね、これは。」

僕の目にペンライトを照らしながら言う。

「屋上から飛び降りて命があるなんて。」

ペンライトを胸ポケットに直し、ため息まじりに話し出す。

「始業式の放課後に学校の屋上から飛び降り…なんて」

「ナカニシがいなければヤバかっただろうね。」

キョウツカ先生の肩越しに映るのは、チュウの姿。

制服がボロボロになってる気がする。

「…………」

チュウは僕と目が合うと、フイと逸らした。


「僕…死ねなかったんですね…」

真っ白な天井を見ながらポツリ、呟く

「…何をそんなに死に急ぐ?」

キョウツカ先生は両腕を組みながら聞く










「明日になったら……また学校に行かなきゃいけない……」

学校に行ったらまた……

「―・・明日を迎えたくない・・・です」

布団の中で拳を握りながら、搾り出すように言った。





繰り返される毎日はもう、たくさんだ。
< 247 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop