Re:
「命ってのは」

「そんなに簡単に操ろうとしちゃいけないと思うんだよね」

キョウちゃんが言った。

「君は自分の置かれている境遇に先が見えず、
ただただ悲嘆にくれているだろうけど。」

「このまま一生あることじゃないし、あってはいけないことだ。この事が公になるからといってこれ以上君は辛い気持ちになることはないと思う。これから進むべき道を1つに絞るならば」

「『死』を選ぶよりも『生』を選ぼうじゃないか」


「こんなちっぽけな空間にいる時間なんて、寿命を全うするまでの中のほんの少しになるんだし。」

「己の生まれた意味を決めつけるのは、まだ早いんじゃないかい?」




キョウちゃんの言葉はアツムに届いてるだろうか

アツムは視線を落としたまま自分の両手を見つめたままだった。
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