Re:
2時限が終わり

理科室から教室に戻る途中の廊下で

誰かに呼ばれた。


……クラモト君達だった。


「なぁ、ちょっと話あんだけど」

その一言だけ告げられ

制服の襟元を引っ張られ

僕の体は理科室から教室までの間にある自転車置き場へ引きずられていた。


「………」


僕はクラモト君達より小柄な体型。

クラモト君にどうあがいても抵抗できるはずは無い。

それは僕が最近学んだこと

僕は彼の力に逆らわず、彼らと廊下を歩いていた。


そして始まる恒例行事


『僕はサンドバッグ』


「お前の声、耳障りなんだよ!」

「お前と同じ教室にいるだけで迷惑なんだよ!!」



そんな、僕に対しての言葉

言葉の雨と共に

僕の体は前から後ろ、右から左

サンドバッグの様に

クラモトくんに蹴られる度に僕の意志とは関係なく、動く。

僕が体を支えられなくなって倒れても止まることなく続けられる

蹴られて体が傷つくように

キミからの言葉を受ける度に

心が傷つくところが目に見えたら良かったのに

僕が今、どれぐらいの傷がついてるのか

カラダ以上にボロボロになってるココロの傷を見せる事が出来たら……

…もし見れたとしてもキミ達はやめない、か。

毎日傷つける僕の体を見てもなんとも思ってないみたいだから。

ありえない事を何度も何度も考えながら

彼らの気が済む時間をひたすら待った。
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