Re:
あの後、母さんはチュウの事を聞いてきて

どんな子なのか

とか

今度、家に遊びに来てもらったら?

とか

……今日はたくさん喋ったなぁ……


部屋に戻り、机に向かい

鞄から携帯と1枚のルーズリーフとペンを出した。

『みんなへ』

紙の1番上に書いた言葉

遺書を書かなきゃ

そう思いながらペンを持つ。


やっぱり

そこから何を書けばいいのかわからず

ペンで綴る言葉が見つからないまま

白い紙面をじっと見つめていた

『僕はいじめられてるので死にます』

…違う

『お父さん、お母さん、ごめんなさい』

……これも、違う。

頭の中に少し言葉が出ては消える

それを何度も繰り返していた。

下書きして、清書して残したいな

人生最後の手紙だから

支離滅裂な文章残して

誰にも伝わらないままで終わるのは嫌だ

下書き。

でも下書きしたものを僕が生きている間に誰かに見られたら

クラモト君達に見られたら更にイジメが激しくなるだろう

母さん達に見られたら心配して、僕を必死に守ろうとしてくれるだろう

先生達に見られたらクラスで、学校で問題として取り上げて騒いで終わるだろう

そんなこと考えだしたらさっきよりも筆が進まなくなってしまった。

ああ

文法や作文の勉強がもっと勉強できてれば

きっとこんなに悩まず書けたかも

「ぜんっぜん書けない…」

掛け時計の秒針が部屋中に響く
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