蹴球天使
転校生
「…―で、お前シイって人とどういう関係?」
「元カノ」
尚の匂いのするソファーに座りながらタバコを吸う。
マイルド セブンと描いた箱はもう見慣れた。
「元カノ?」
正面の鏡に映るのは赤髪の俺と茶髪の尚。
「はぁ、年上彼女か、ちょっと羨ましい」
「つくればいいじゃん」
「俺はお前とは違えんだよ、すぐに彼女なんてできねぇの」
そう言う尚の首にはたくさんのキスマークがついている。
「説得力ゼロ、こういうのは付けられないように気をつけんだよ」
そう言いながら俺は尚の首を鏡越しに指指した。