蹴球天使



「うるせ」

俺はその後、4抔目まで飲んでから尚の家で寝た。

尚は一人暮し。

だからここはよくたまり場になっている。



だけどシイのことは一度も連れてきたことはない。

他の女はよく連れて来たりするケド、なんかシイは連れて来れなかったんだ。

なんでだろう。

その辺はあまりよく覚えてない。

シイと付き合ってたのはもう3年も前になるけれどシイとの会話の一つ一つは明確に覚えているのに。

―――…‥

『ねぇ。カイくんさ、夢ってある?』

『ある、シイは?』

『あるよ、私今ただの読者モデルでしょ?
だけどそのうち立派なモデルになるんだ。
それから歌手デビューも女優デビューもしたい。
みんなに憧れられて目標になるような人になりたい』

『へぇ』

『カイくんは?』

『俺は、これからもモデル続けて、シイや仲間とバカ騒ぎしてたい』

『くすっ、カイくんらしい。じゃあさ、一緒にモデル続けてトップとろ?』


――――…‥
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