蹴球天使
三階には昔あたしがした落書きがまだ残っているはず。
2−B
そう書いた教室の黒板の下―…
[悠だぃ好き!!!
来年、一緒にサッカー出来ますように☆ミ
by 玲]
あたしはそっとその落書きに手を乗せる。
あの頃の記憶はまだ新しくて、ハッキリと思い出すことができる。
あたしは大好きな幼なじみのお兄ちゃんにやっとの思いで告白して、付き合ってたんだ。
初めて誰かにこれでもかってくらい愛されたと思う。
毎日が温かくて、幸せで、楽しくて―…‥
いっぱいいっぱい笑った。