蹴球天使
廊下から小さい足音が聞こえてくる。
だんだんと大きくなって
気配を感じて右を見ると、
さすが有名不良校って感じの青い髪の男の人が立っていた。
「誰?」
男の人っていうか、2−Bの生徒っぽいからあたしと同い年かな?
「えっと、転校生」
「なんで、泣いてんの?」
え?
「泣いて………る?」
急いで自分の頬に手をあてて涙を拭く。
「なんでもいいけどさ、名前なんていうの?」
青い髪の人はぱっと見怖いけど、実は優しいのかもしれない。
「あたし、レイ」
「レイ………か。
俺はナオっていうの」
ナオはニカッと笑って見せた。
この人はモテるだろうなと思った。