snake in the grass

潤はハンカチで鼻と口を覆い、もう一度棺桶の前まで歩み寄る。

今度は棺桶の蓋を蹴っ飛ばして一気に開ける事にした。

ゴトンッという音が教会の中に響き、完全に蓋が開けられた。

「、、、っ!!」

潤は息をのんだ。

棺桶の中には胸にナイフが刺さったままのクドラクが横たわっていた。

クドラクはミイラ化していて、おまけに保存状態が悪く損傷箇所が多い。

出血した状態で棺桶の中に入れたのか、棺桶の木に血液が付着し変色して、そこから青黴が生えていた。

潤は横たわるクドラクを見て、喉に小骨が引っかかった様な違和感を覚えた。

ふと潤は心臓のくり抜かれた老爺の事を思い出し、棺桶の蓋を閉めた。

今度は美月の元へ戻る為に走り出した。

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