snake in the grass
「何を証拠にそんな事を言っているんだ?!」
「証拠はこれです」
潤は携帯のディスプレイを上村剛に突き出した。
「・・・これはッ!!」
「圏外でもカメラ機能は使えますよ」
ディスプレイには棺桶の中に横たわるミイラの顔写真が映っていた。
「上村さんはこの顔に見覚えがあるんじゃないですか?」
「だって上村さんがクドラクを封印したんだから・・・」
美月はディスプレイを覗き込む。
「じゃぁ・・・この写真と見比べてみてください」
鞄から『村長一覧』と書かれた本を取り出し、ページを捲って見せた。
「あっ!」
美月はディスプレイと本の写真を見比べながら驚きの声を漏らす。
潤が以前、喉に小骨が刺さった様な違和感の正体はこの事だったのだ。
「クドラクとは旧村長だったんです。上村さんは地位を獲得する為に殺害したんじゃありませんか?」
「私は殺してなどいない!!・・・それに、、、クドラクは蘇ったんだ。森で死んでいた女はどう説明するんだ!!」
上村剛の額には微量の汗が浮いていた。