snake in the grass

潤を怒鳴り散らしたあと、

「でもそれだけじゃ私が犯人だとは言えないだろ。掘り起こされた老爺はクドラクのシモベで血を飲んだんだろ?」

小馬鹿にするような口調で潤を挑発する。

「確かに老爺の口元には血が垂れていたと村の方が言ったのを美月が聞いています。でも血が垂れている事や腹部が膨らんでいたり呻き声が聞こえる事は科学的に説明がつくんです」

「えっそうなんですか?!」

驚く美月に潤は頷く。

「この村では火葬せずに埋葬しています。その為、腐乱してゆく体内でガスが発生するんです。そのガスが血液と共に喉を通り外へ出る際に呻き声の様な音が出るんです。村の人達はそれを呻き声と勘違いしたのでしょう。腹部が膨らんだのもそのためです」

「その事が説明出来たからって私が犯人である証拠が無い」

上村剛は一瞬ニヤリと笑った。

「証拠ならありますよ」

潤の言葉に上村剛は固まる。

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