snake in the grass
上村剛は傷口を見た途端ヒステリックに叫び、体を震わせ、湿った土に尻を擦る様に後退りを始めた。
その顔は恐怖に脅え歪んでいる。
「だ、大丈夫ですか!?」
美月は慌てて駆け寄り背中をさする。
上村剛の体中から冷たい汗が噴き出していた。
眼鏡の向こうで瞳は激しく泳いでいた。
「上村さんは何を知っているんですか?」
潤は歩み寄り問い詰めるかのように尋ねる。
傷口を見てこれだけ恐怖に脅えるのはおかしい。
上村剛は潤の言葉に反応し、辺りを見回し声を潜めてこう言った。
「こっ、、、ココでは話せない。一度いっ、、家に戻ろう」
潤にも美月にも意味が解らなかった。
だが、今は上村剛の言う通りにする事にした。