白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




モミジから好きな人の話を聞いて、すぐにその相手が先生であることはわかった。



でも、言い出せなかった。





嬉しそうに先生の話をするモミジを見ていて、私は複雑な気持ちだったんだ。




嫉妬とはまた違う気持ち。


私の知らない先生の話をするモミジ。



もっと聞かせて欲しいって思ったこともあった。




卒業して、教師してる先生を見ることがなくなった時期だったからだと思う。



新垣先生の熱血ぶりを話すモミジと、昔の自分を重ねていたのかもしれない。





「どうしてるのかな、モミジ」



「会いに行ってみたら?」





ゆかりは思わぬことを言った。


私にはそんな勇気はなかった。





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