白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~





「ちょうどいいから、子宮ガン検診もしておきましょうか」





チクっとした痛みがあったけど、そんな痛みよりも心が痛い。



私、こんなにも赤ちゃんが欲しかったんだ。






「子宮が少し腫れていました。ホルモンのバランスが少し乱れているのかもしれませんね。生理になりそうでならない状態のまま何日も過ごしていたせいで、痛みが起こったんじゃないかと思われます。次回の生理前も激しい痛みがあるようならまた来てください」






笑顔で私の肩を叩いてくれた。




笑顔を作ろうとした瞬間、瞳から涙が溢れ、こぼれ落ちた。






「大丈夫?痛かったわね。もう大丈夫だから」



「ありがとうございます」






痛みなんて我慢できる。




痛くて泣いているんじゃない。







心にぽっかりと空いてしまった穴。



涙が止まらない。




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