白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
パン屋
―パン屋―
それから数日後。
仕事を終えてから私はひとりでパン屋へ向かっていた。
唯一連絡を取っていたバイトの先輩にメールをして、モミジがバイトに入っている日を聞いた。
何年ぶりだろう。
懐かしい道を歩きながら、いろんなことを考えた。
あの頃、この道を制服で歩いた。
その日あった、出来事を思い出しながら。
今日の先生のジャージかっこよかったな、とか。
今日の先生、前髪がはねてたな、とか。
卒業まであと何日・・・・・・って数えながら。
卒業したいようなしたくないような気持ちだった。
いつまでも先生の生徒でいたい気もして。
時々、胸の奥がギューって苦しくなったんだ。