白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




「新垣先生みたいにイケメンじゃないですけど、すっごく優しい彼氏です。自分に彼氏ができてみて、直さんの気持ちもすごくわかるようになったんです」




モミジは、ジュースを一口飲んだ後、椅子に深く座りなおした。



私も同じように深く腰掛けた。




「あのね、直さん。正直な気持ちを言うと、あの時ショックでした。どうしてもっと早く言ってくれなかったんだろう?って思った。でも、言いたくても言えなかったんだなって今はわかるんです。私の今の彼氏、友達も好きだったんですよ」





ショックだったとハッキリ言われて、私はあの時のことを思い出した。



もっと早く言うべきだった。


でも、言えなかった。





「友達と同じ人を好きになったの?」



「そうなんです。で、友達の方が一歩リードしてる感じで・・・・・・ でも、突然告白されて付き合うことになったんですけど、友達になかなか言えなかった。言わなきゃ言わなきゃって毎日思うのに、言えなくて」





私も、毎日思っていた。



言わなきゃって。



大事だからこそ、言わなきゃいけないって。





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