白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




それから、私とモミジは懐かしいパン屋時代の話や、彼氏の話をしながらハンバーガーを全部食べた。




モミジは、今の彼氏と付き合ったことで友達をひとり失った。



もっと早く言えていたら失わずにすんだかも、とモミジはため息をついた。




良かった。


失わないで。



モミジを失わずにすんだのは、周りのみんなが相談に乗ってくれたからだった。






「新垣先生によろしく言ってくださいね~!覚えてないかもですけど」




「覚えてるよ!!今度は一緒に買いに来るね」






モミジと別れてすぐに、先生とゆかりに電話をした。



ふたりとも心から安心した声で“良かった”と言ってくれた。





新しい恋を見つけていたことが嬉しかった。


でも、それは半分は自分が安心できたから。



もう先生のことを引きずってないと知って、正直ホッとした。






私、優しくなんかない。


弱いんだ。







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