白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
「何がだるい?3年か?」
「うん。何もかもがだるいし」
少し茶色い髪の間から顔が見えた。
いい顔してんのに。
鋭い目をして、保健室のドアを見つめていた。
「進路とか考えるのが辛い?」
「うん」
「大人になりたくない?」
「わかんない」
しばらく話していると頭を上げて、はっきりと顔が見えた。
「俺のこと知ってる?」
俺がそう聞くと、コクンと頷いた。
「学校で一番怖い先生だろ?」
そう言ってから、ちょっとだけ笑った。
「名前は?」
「新垣・・・・・・だろ?」
「違うよ、お前の名前」
「畑中」
「そうか。畑中・・・・・・ 俺、受け持ったことないけど、いつでも話聞くから。体育教官室か生活指導室か職員室にいる。用事なくても俺に会いたくなったら来いよ」
畑中は、会いたくならねーよ!と言いながら、俺と一緒に腰を上げた。
そして、渋々教室へ向かって歩いた。