白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
俺は早足に、岡崎先生の元へ向かった。
俺が見回りをするのはいつものことだけど、岡崎先生は珍しい。
それに見回りというよりも、ひとりで何かに悩んでいるようだった。
噴水の音が、涼しげな風を運んでくる。
直達の卒業式を思い出す。
この噴水、俺も直も好きなんだよな。
「岡崎せ~んせ。何サボってんの?」
噴水の音で、俺が近づいていたことに気付いていなかったようだ。
驚いた顔をした岡崎先生は、サッと立ち上がる。
「あ、新垣先生、すいません。俺・・・・・・」
「別に謝ることないよ。見回りだろ?」
岡崎先生は、気まずそうな顔をしながら、ベンチにまた座った。
「俺、邪魔だったらどっか行くけど」
「あの、良かったら話聞いてもらえますか?」
噴水横の時計を見上げると、授業はあと20分程だった。
俺と岡崎先生は体育教官室に向かった。