白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
「一度だけ結婚前に行ったな。河原でイチャイチャしたことしか覚えてないけどね」
喜多先生は、窓の外を見ながら懐かしそうな顔をした。
「あ~、あの有名な鴨川ですか。等間隔に並んでカップルがイチャイチャするっていう」
「そうそう。あの頃はまだ若かったから。でも、新垣先生ならまだ大丈夫じゃない?」
俺は、そんなことしませんよ、と言いながらも、内心楽しみだったりする。
旅行に行くたびに、直に恋をする。
新しい直を発見して、また直が愛しくなる。
ふふん。
俺ってバカだよな。
「最近、旅行行ってないな。新垣先生に影響されて、俺もどっか行って来ようかな」
喜多先生は、俺のひざの上の雑誌を奪って、ペラペラとめくった。