白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
「あら。そういう種類のお話ですか?新垣先生はそういう苦労も多いでしょうね。私の場合は、女子生徒から慕われることが多いので、あまりそういうこともないですよ」
消毒液か何かの臭いが鼻にツンと来る。
懐かしい匂い。
「俺も結婚してからはそういうこともないですよ。水谷先生も、ご結婚されましたもんね」
「そうですね。独身の頃は私のことを女として見る男の子もいましたけど、今ではねぇ・・・・・・」
畑中の顔が浮かぶ。
独身だったら・・・・・・ってアイツも思っただろうな。
独身だったら、素直な気持ちを伝えられるのに。
「今、男子生徒から告白とかされたらどうですか?迷惑かな?」
「迷惑なんてとんでもない。嬉しいことですよ。まぁ、そんな子もいないんですけど」
そうだよな。
迷惑だなんて・・・・・・思えるわけがない。
大事な高校生活の一部を、自分に捧げてくれていることは、嬉しいこと。
こたえられなくても、その気持ちは大事にしたい。