白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




「だから、真剣なんです。私に相談しに来る子は本気で悩んでいたり、友達にも言えなかったりするから。昔は、友達同士でキャーキャー言いながら話す子が多かったんですけどね」





水谷先生は、干してあったタオルを取り込んで、畳み始めた。




「相手が結婚していると気軽に好きだとは言えないってことですね」




結婚してから誰からも告白されていないことに安心していたが・・・・・・




「今もいるんですかね。俺のことで悩んでいる女子が」



「ふふふ。そりゃいるかもしれないですね。でも新垣先生に罪はありませんから」





時計を見ると、もう6時を回っていた。



同時に時計を見た水谷先生が、フーっと息を吐いた。




「もうこんな時間ですね。かわいい奥さんが待ってますよ」



「突然すいません。帰るところだったんですよね。呼び止めてしまって申し訳ない」




「新垣先生とゆっくりお話する機会もなかったので良かったです。あの・・・・・・もし、私に想いを寄せている生徒がいるのなら、背中を押してあげてもらえますか。私も経験ありますが、思い切りぶつからないと前に進めないこともあると思いますので」








< 196 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop