白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
俺は先に保健室を出て、ゆっくりと廊下を歩いた。
畑中に今すぐ会いたかった。
お前が好きになった相手は、素敵な女性だよって言ってやりたかった。
考え方が俺と似ていて共感できた。
畑中がいなかったら水谷先生と話すこともなかっただろうな。
車の前まで行き、校舎を見上げた。
この中で起こっているさまざまな出来事。
いろんな恋が生まれて、終わって・・・・・・
俺の知らないところで、いろんなことがあるんだろうな。
と・・・・・・車のドアに手をかけた時だった。
中庭から歩いてくる人影。
どうやら・・・・・・ふたり。
見て見ぬフリをして帰ろう。
男の方は、ジャージを着ていた。
黒のジャージ。
そう。
あれは、岡崎先生だ。
高鳴る胸を抑えて、俺は車に乗り込んだ。
なんだかわからないけど、ドキドキした。
懐かしい感じ。
直と・・・・・・俺も・・・・・・
あんな風だったのかな。