白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
あれから、大野さんとはまともに会話をしていない。
気にしすぎかもしれないけど、仕事中も前よりも真面目な雰囲気が漂っている。
「同期の福井っていたじゃん?アイツと昨日偶然会ってさ。帰りにパン買ってたら同じ店にいたの」
「福井君って、そういえばちゃんと話したことないかも」
「でしょでしょ?ちょっとイメージ変わったんだけど、シュークリームとかいっぱい買っててさ。笑っちゃったよ。甘いものが好きらしいの」
皮がパリパリしているのに、中の生地は柔らかいシュークリーム。
沙織のシュークリームの説明があまりにもリアルで、お腹が減ってきた。
「で、ちょっと一緒に帰ったんだけど、美味しいパンのお店とかケーキのお店いっぱい知っててさ。今度一緒に行こうね」
食欲もなかったのに、突然甘いものが食べたくなった。
「シュークリームかぁ。食べたいな」
私がポツリと呟くと、沙織は笑い出す。