白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




それから数日後、福井君に教えてもらったケーキ屋さんへ行くことになった。



私と沙織と・・・・・・真由美さんと。




「いちじくといちごのタルトだって!」


「和栗のロールケーキも美味しそう!」


「メロンのプディングタルトも食べたい」





雑誌に載ったこともある有名なケーキ屋さんらしく、店内はOLさんらしき女性で埋め尽くされていた。




悩みに悩んだ結果、私はいちじくといちごのタルトを注文した。




「で、沙織ちゃんはもう吹っ切れたの?」




真由美さんの一言で、私と沙織は顔を見合わせた。





「大野先輩のことですよね?もう大嫌いです」




沙織は唇にクリームをつけながら、プーっと頬を膨らませた。




「はははは。でも、顔見てるとまだ好きっぽいけどね」






真由美さんの言う通り。



私から見ていても沙織はまだ大野さんのことを忘れてはいないように見えた。




わざと嫌いになろうとしているような、そんな感じ。




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