白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




お姉ちゃんが家の中で暴れ出すと、私は耳をふさいで、ふとんに潜り込んだ。




でも、1分もしないうちに誰かがささやくんだ。




“いいの?そこにいていいの?”って。




だから、私は勇気を出して、ふとんから出た。





そして、当時は自分よりもずっとずっと大きかったお姉ちゃんに向かって、叫んだ。





“お母さんに物投げないで”



“お母さんに謝って”




お母さんを守るのは自分だと・・・・・・






自分が守らないとお母さんが死んでしまうんじゃないかと、思っていた。




でも、お姉ちゃんは大きかった。



小学生の私がいくら体をぶつけても一瞬で跳ね返されてしまう。




どんなに声を張り上げても、お姉ちゃんには届かなかった。








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