白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~





「私・・・・・・考えないように、思い出さないようにしてたんだ。本当は、時々よみがえることがあった。でも、今が幸せだから考えないようにしてた。今のお姉ちゃんだけを見ようって思った。だって・・・・・・本当に仲良くなれたことが嬉しかったから」




素直な気持ちだと思う。



今の平和な関係がどれほど幸せなことか、直は一番わかってる。



だから、過去の辛い思い出を心の奥の箱の中に閉じ込めて、鍵を閉めていた。




「過去も消えないけど、未来も消えないよ。これからの直とお姉ちゃんの関係は、今から作っていけばいいんだよ」




ミルクティーをゴクンと飲み込む音が響く。



俺も真似して音を立ててみる。




「先生の考えてること、当てていい?」




肩を寄せた直が、いたずらな笑みを浮かべた。



俺は視線をそらす。



だって、今の直・・・・・・本当に俺の心の中、全部見えている気がするから。







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