白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~



なれるかな。



あんな夫婦。





「いろいろあったんだろうな。俺達にはわからない苦労がきっとあったんだよな、あの夫婦にも。そうして、成長していくんだよ。夫婦って・・・・・・」





先生はしみじみとそう言って、にっこりと私を見て、歩き出した。





黙って、ただ手を繋いでいるだけで、とても気持ちが落ち着く。





いつからだろう。

手を繋ぐことが自然になった。




いつからだろう。

ドキドキとは違うこのほんわかした安心感が生まれたのは。






「直、ひとつだけだぞ」




一瞬目を合わせた後、先生は静かに目を閉じた。




私も隣で目を閉じた。







ねがいごと。



たったひとつのねがいごと。





欲張りな直が願うのは・・・・・・

今も昔も変わらない。





やっぱり、先生とずっと一緒にいたいってこと。






ずっとずっとずっとずっと・・・・・・



この幸せが続きますようにと。












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