白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
先生の記憶
-先生の記憶-
石畳の上をゆっくりと歩く。
時々つまずきそうになる私。
しっかりと手を繋いでくれているから平気。
ねぇ、先生。
まだドキドキするよ。
私。
結婚したのにね。
今でも、こうしているとちゃんと“ドキドキ”したり、“キュンキュン”したりするんだよ。
知ってるかな?
先生は。
「夕食までは、何も食べないぞ。これ以上食べたらせっかくの料理が食えなくなるからな」
わざと怒ったような厳しい口調。
人通りの少ない細い道を歩く。
夕食は、先生が厳選してくれた鴨料理のお店だった。
鴨の釜めしと鉄板焼きが美味しいんだって。
ちょっと個室風になっているのと、窓から川が見える所が気に入った。