白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
「幸せ・・・・・・」
自然に口から出た言葉に、先生は顔を近付ける。
「ん?」
「幸せって言ったんだ」
頬を寄せた先生が、歩く速度を緩めて笑う。
「俺も幸せ。お前に会ってからずっと幸せ」
強い風が吹く。
遠くからギターの音色が聞こえる。
「宿まで歩こうか」
「うん。歩こう」
私が夜空を見上げると、先生も見上げた。
先生が鼻歌を歌うと、私も歌った。
沖縄ともグアムとも北海道とも違う。
この京都の旅も、私達夫婦にとって特別なものになるね。