白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




「禁煙でふたりなんですけど」



先生は、店員さんに声をかける。





「鴨川沿いのお席と、個室がありますがどちらにされますか?」




「う~ん。鴨川が見える方がいいですね」





本当に不思議なお店だった。




蝶ネクタイをした黒ベストの男性店員さんがいたかと思えば、着物風の女性店員さんもいた。




奥の方を覗くと、個室は和室のようになっていた。




目を凝らさないと奥までよく見えないくらいの暗い店内。





「直、ちゃんとついてこいよ」




先生は、そっと手を差し伸べてくれる。



人差し指だけを絡めた。





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