白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
「どうしたんだ?ため息ついて」
顔を覗き込んできたのは、大野さんだった。
真由美さんは窓に顔をくっつけてもう眠ってしまっていた。
「難しいですよね・・・・・・」
「何が?」
不思議そうな大野さんの顔を見て、沙織のお願いを思い出す。
沙織、大野さんのこと狙ってるんだっけ。
「大野さん、彼女いますよね?」
こんな話をしたことはなかった。
コンパに行くとか、しつこい女がいるとかそんな話は聞いたことがあったけど。
「気になるの?」
ちょっと顔を近づけてきたから、私は両手を顔の前でバタバタさせた。
「違います!!」
「そこまで否定しなくてもいいだろ。ははは。彼女は、今はいない。明日はどうなるかわからないけど」
大野さんが言うと、本当っぽい。
大野さんなら、突然彼女ができても不思議じゃない。
私の好みじゃないけど、一般的にはかっこよくて仕事もできて、結構完璧な人だと思う。