白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
たっくんとの夜―先生目線―
―たっくんとの夜― 【先生目線】
「先生は、直ちゃんがいない日しか遊んでくれないんだから」
「当たり前だろ?直がいるのに、どうしてたっくんと飯食うんだよ」
俺達は、いつか来たことのあるつけ麺屋さんにいた。
「ここ、俺がボロボロの時に来たよね、確か」
「そうだっけ?たっくんはいつもボロボロだから覚えてねぇよ」
最近は落ち着いていると直から聞いていたので安心していたけど、今日のたっくんの顔を見ていると本当に大人になったなと思う。
「最近、仕事はどう?」
俺は、大盛りの麺の中に箸を入れながら、たっくんに聞く。
「少し落ち着いた。気持ち次第だなってわかったんだ。嫌だ嫌だって思ってると、どんどん嫌になってくる。飲み会は相変わらず多いけど、ゆかりともうまく行ってるよ」
そう言いながら、たっくんはポケットから出した携帯電話を俺に渡した。
「ほら。このメール見てよ」
たっくんが見せてきたのは、中田からのラブラブなメール。
「俺だって毎日直からそんなメール来るし!」
何を張り合ってんだぁ、俺。