白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
既婚者が多い会社らしいけど、俺みたいな男ばっかりじゃないし。
酔った勢いで直に触ったりする男がいても不思議じゃない。
「どしたの?先生」
「いや、何でもない」
「心配なんだ。直ちゃんが他の男と仲良くしてたらどうしようとか思ってんだろ?」
「うるせーなぁ・・・・・・」
直と中田の成人式の時も、たっくんとこんな会話をしていた気がする。
片想いでも、彼氏になっても、結婚しても、嫉妬って感情は変わらないんだな。
「俺、こんなに嫉妬深くなかったはずなんだけどな」
俺がポツリとつぶやくと、たっくんが笑い出す。
「あははは!やっと認めたな、先生。嫉妬してんだろ~」
「俺が直に似てきたのか、相手が直だから嫉妬しちゃうのか・・・・・・どっちなんだろうな」
そんなこと、わかってんだけどさ。
本気で誰かを愛したことがなかったんだ。
直が最初で最後の人。