白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
「いつになっても、俺とゆかりは追いつけそうにないな」
弱気なことを言うたっくんの背中を叩く。
「何言ってんだよ」
「俺は、だめな男だからさ」
「そんなことみんな知ってるよ。中田が一番わかってんだろ?」
「ひどい・・・・・・」
俺はたっくんじゃないけど、もしも俺がたっくんみたいなことをしたとしたら、直は俺を愛してくれただろうか。
自信ねぇな。
「ところで、懐かしい話だけど、四つ葉のクローバーって見つかったのか?」
たっくんと中田が一回目に別れた時だったかな。
たっくんは、四つ葉のクローバーを探していた。
結局あの時は見つからなかったけど、ふたりはよりを戻した。
「懐かしすぎる!!俺、必死だったよな、あの時。今はもう探してない。あの時の俺は、自信がなくて、四つ葉のクローバーに頼ってた。クローバーが見つかれば、俺とゆかりは運命のふたりなんだってそう思いたかっただけなんだ。もう今の俺達にはいらないかなって」