白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~
それから数日後、真由美さんを通じて、大野さんが沙織に謝りたいと言っていると聞いた。
元気なフリをしていた沙織だったけど、やっぱり心の傷は深かった。
自分で思っている以上に大野さんのことが好きだったんだと気付いたようだ。
「今、あの顔で謝られると許してしまいそうだもん」
沙織は、他の男の人を紹介してとみんなに頼んでいたけど、やっぱり大野さんのことが気になったままだった。
「素直になったらいいと思うよ。許せるならそれでもいいんじゃない?」
私はゆかりとたっくんのことを思い出していた。
他人から見れば、絶対に許せないようなことをしたとしても、自分が許せるならそれはそれでいいんだって、ゆかり達を見ていて思ったんだ。
それは、そこに“好き”って気持ちがあるからだもん。
もし沙織が大野さんのことをもう一度好きになったとしても、それは全然だめなことなんかじゃない。