しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
今度は、私がレオくんを見上げる形になった。
強い風が吹き、私達の髪が左右に大きく揺れる。
「壮吾に、俺の面倒を見ろとでも言われたの?俺、言ったよね。同情は嫌いなの」
無表情で、淡々と言った。
そして、私に背を向け屋上のドアの方へ歩いて行く。
――レオくん。
違うよ。
壮吾は関係ないよ。
それに……。いつから、そんなに我慢しているの?
誰にも本心を見せずに、ずっとその自分を演じてるの?
心の休まる場所。
思いを丸裸にできる場所。
私が、作ってあげたい……。
「レオくんっ!」
私は、ドアノブに手をかけたレオくんの背中に声を張った。
「私、壮吾達がレオくんの事を話してるのは聞いたよ。けど、詳しいことは聞いてない。レオくんの事は、何も知らないの」
「………」
「ただ...時々、レオくんがすごく哀しげな表情をするから」
そう。
あの時、花屋の前にいたレオくんの表情。
私の方を向いた時に、明らかに動揺していた。哀しげに眉間にしわを寄せていたのに、咄嗟に元に戻してた。
「同情なんかじゃないよ。壮吾の友達だからとか、そんな事も関係ない。ただ、レオくんに笑ってもらいたくて...」