しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
絡まり
とても爽やかな朝だった。
リビングの窓からサラサラと風が流れ込み、レースを軽やかに揺らしている。
キッチンから運ばれてくる、トーストやコーヒーの香り。
慌ただしく朝食を準備するお母さんに、テーブルの上で新聞を広げるお父さん。
如月家の、いつもと変わらない朝の光景。
いつもと違うのは、ずしりと重たい、私の心だけ。
「私、やっぱり朝ごはんいらない」
ゆっくり椅子から立ち上がったつもりだったのに、椅子が後ろにずれる音があまりにも大きくて、私の鼓膜はビリビリと痛みを感じた。
「いらない…… って、美羽っ!!」
キッチンから聞こえるお母さんの声を振り切って、階段を駆け上った。
あんなことになって、学校に行けるはずがない。
一番傷つけたくない人を傷つけてしまったんだ。
癒すどころか、日和に言われた通り、逆効果だった。