しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


「美羽っ! どうしたのよ。一体、何があったの?」


ドアの向こうから聞こえる、お母さんの大声。

それに答えることなく、私は布団の中で頭を抱えた。


そんなことはない。

そんなことは、絶対ない。






お母さんの声がしなくなってから、どのくらい時間が過ぎたんだろう。


ドアの向こうはものすごく静かだ。


布団をはいで体を起こすと、風邪でもないのに、全身が気だるさに襲われた。


頭もズキズキと疼き、心に風穴ができたようにピューピュー鳴いている。


だけど、どんなに大きな風穴が開こうとも、この罪悪感や、不安感は吸い込んではくれなかった。


力の入らない瞼は、いつもの半分くらしか開かない。


視界の狭まった瞳にふと映ったのは、ベット横の棚に置いてある赤い手帳だった。


重みを感じなくなった手を、ふわりと伸ばし、中を開く。


嫌でも目に留まるのは、一生懸命考えたはずの『R・E計画』。





< 173 / 400 >

この作品をシェア

pagetop