しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
涙を流し過ぎたせいか、徐々に、腫れる瞼が重くなってきた。
私って、薄情。
こんな状態なのに、眠気に襲われるなんて。
赤い手帳をベッド横の棚に放り投げ、バタンと体を倒した。
意識が薄れ、暗闇に包まれる。
そこは、私1人だけの世界。
光も、風も、音も、何もない。
目の前には道があるのか、それとも、崖っぷちなのか――。
暗闇の中の私は、ただ、ぽつんと、そこに立っていた。
『……う』
あれ? ここは無音の世界だと思っていたのに、遠くで誰かの声がする。
『み……う。……よ』
それは、徐々に、はっきりと聞こえるようになった。
この声を聞くと、とても心が落ち着く。
私が病んでいる時、必ず優しく包み込んでくれる声だ。
まどろみの中で聞こえた優しい声に、私の体はフワフワと宙を舞った。