しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「美〜羽。差し入れ持って来たよ」
そう言って、コンビニの袋を上に持ち上げ、私の部屋に入ってきた。
私はベッドの上で、布団を弄ぶ。
ホントの事を言うと、日和にも少し会いづらかった。
あの時のあたしのイラつきは、きっと日和にも伝わっていたと思うから。
「どうした、どうしたー?外はめっちゃいい天気なのに、ここだけ集中豪雨」
悪戯に笑う日和が、私のベッドの前に腰かけた。
するとすぐに、手に提げていたコンビニの袋から、甘そうなチョコケーキが出てきた。
「あっ。 チョコケーキ、もしかして嫌いだった?」
無言で日和に視線を落としていると、日和が慌てた感じで言ってきた。
咄嗟に、ううんと首を横に振る。
「よかった。ごめんね。コンビニのケーキで。今月のお小遣い少なくてさ。これが私の精一杯です」
肩をすくめておどける日和。
「元気の出ないときは、甘いものに限るでしょ?」
そう言って、私にケーキとプラスチックのスプーンを差し出してきた。
「何か、聞いた?」
日和からケーキを受け取って、小声で聞く。
わざわざ家まで来てくれたんだ。
きっと、何か聞いたに違いない。
「何も聞いてないよ」
...え?
「柊先輩も心配してたよ。何か知ってるか聞いてみたけど、何も知らないって言うし」