しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「最初は、お兄ちゃん達とも仲良くなかったんだよ。だけど、あのお兄ちゃんと柊先輩だからさ、無理だとわかってるものに関しては、とことん追いかけちゃうんだよね。毎日毎日頑張って、レオくんを口説いて、今の関係になってるの」
『それだけでもキセキでしょ?』と言葉を続けた日和は、『うん?待てよ?』と口に手を当てた。
「バカ兄貴が口説き上手になったのは、レオくんのせい?」
と、首を傾げていた。
レオくんのせいで、口説き上手になったって。
コウ先輩、本当に面白い。
日和から受け取ったケーキに視線を落とすと、少しだけ笑みがこぼれた。
「よしっ。 笑ったね」
「...え?」
「ほらっ、早く食べないと、チョコ溶けちゃうよ」
そう言って、私の手の中で温められたケーキを、顎で指した。
私はコクンと頷いて、『ありがとう』と、ケーキを一口食べた。
口の中ですぐに溶け出した甘いチョコが、じわーっと心を和ませてくれた。
「日和...」
日和は、うん? と私に視線を向ける。
「レオくんの事、詳しく教えてもらってもいいかな」