しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
ココロ
「そーうーちゃーん」
「みーうーちゃーん」
キュッ――。
自転車に急ブレーキをかけて、声がした方を振り向く。
その瞬間。
道路の反対側から、ピカッと光ってパシャリ。
壮吾の背中にくっついている私と、片足で自転車を支えている壮吾。
こんな不意打ちの私達の姿をカメラに収めたのは、皆川兄妹。
こちらに向かって大きく手を振って、車が途切れたのを確認すると、素早くこちらに走ってきた。
「2人とも、もっと近づいて」
デジカメを覗き込む日和は、私達が返事をする前に、勝手にシャッターを押していた。
「ちょ、日和。どうして朝から写真?」
私は壮吾の背中にくっついたまま、小首を傾げた。
「ふふふ。 お兄ちゃんから聞いたよ」
カメラを片手に、不気味にニヤける日和が怖い。