しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
つぼみ
担任の後に続いて、ぞろぞろと廊下を歩く1年生。
7クラスもの生徒が各クラスずつ、学校を見学して回っている。
「静かにー」と先生の声が上がる中、新しい友達との会話で盛り上がっている生徒は、見学そっちのけでおしゃべりに夢中になっていた。
「ね、ね、なんかさ、中学校とは違って校舎が広いよね。ワクワクしない?」
今日も朝からテンションの高い日和。
校舎のあらゆる所を見て、目を輝かせていた。
「そう言えば、日和はどこ中出身?昨日聞きそびれちゃったから」
「あー、あのバカ兄貴のせいでね」
テンションの高かった日和が、“バカ兄貴”と言った瞬間、不機嫌になった。
「あたしは桜中出身。 ちなみに、レオくんと柊先輩も同中」
日和が顔を歪め、私の顔をちらっと見て苦笑した。
「私ね、中学の頃は最悪だったの」
私は「どうして?」と眉を上げる。