しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


レオくんの瞳が、微かな光に揺れ動いた。


私に視線を向けているだけで、問いには答えてくれない。


くるりと、踵を返したレオくん。


窓から遠慮がちに差し込んでいる月明かりの道を、ゆっくりと歩いていった。


言葉数の少ないレオくんの背中が、月明かりのせいなのか、いつもよりも大きく見えた。



「あんた、あれから壮吾と会ってないの?」


窓際まで足を進めたレオくんが、おもむろに口を開いた。


びくっと跳ねる、私の肩。


うん。 とも、頷けない。


会ってない、というか。

……会えない。

会う必要もない。


別れたんだから……。


そんなことより。


「どうしてレオくんがここにいるの?」


震える声を抑えて、早口で言った。


「別に? ただ散歩してたら、賑やかだったから寄ってみただけ。夜の学校、結構楽しそうだし」




< 283 / 400 >

この作品をシェア

pagetop