しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
さらりと答えるレオくん。
窓際にある小さな棚に寄りかかっている。
レオくんの視線が、真っ直ぐに、私に伸びてきた。
レオくんにジッと見つめられると、動けなくなる。
心の隅まで見透かされているようで、チクチクと痛い。
「あんた、このままでいいの?」
「………」
「別れるのは簡単だけど、このまま何の話し合いもなしに別れていいわけ?」
……話し合い。
壮吾の話を聞いたら、この状況がよくなるの?
むしろ、元カノのことが忘れられないとか言われて、傷が増えるだけじゃない?
そんな話し合いなら、しないほうがいい。
このまま、壮吾を忘れていった方が、全然楽。
「壮吾の本音とか、聞かなくていいの?」
「もしかして……。壮吾から、何か聞いてるの?」
ダメだ……。
この震え、尋常じゃない。
「いいや」
え? と見上げると、レオくんは本棚に手を伸ばして、何かの本を手に取った。
「俺も、あれから壮吾に会ってねーし」